2019-07-29 さめざめ 男の人の涙がすき。 透明の涙をぼろぼろ流して、わたしより10センチも20センチも大きい、大人の男が泣いているところ。 男の半分の細さのわたしの腕のなかにぬるりと入って、泣きそぼっている男。 あの瞬間が愛しい。 反対に、女の涙はだめ。 打算が透けて見えて、みっともない。 そうでなくてもだらしなくて、ばれたくなくて、声をあげずにないていてもすすった鼻水ですぐばれて、目尻を情けで拭われて。 あの瞬間が世界で一番惨めだった。